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by sawarabiy

能登半島地震ボランティアに参加してー3

能登半島地震ボランティアに参加してー3_d0014310_20485493.jpg私がボランティアとして門前町に入ったのは、災害の一ヶ月後、4月の終わりでした。
当初十数か所あった避難所は四ヶ所となり、240人ほどが避難していた。私が参加したのは、避難者35名の宿泊施設でした。全室個室のためプライバシーは保たれていました。

一方、高齢者が多く、食事の時以外、部屋にこもってしまう方もありました。ノロウイルスの対策で、各部屋のドアノブや洗面台、トイレのハンドルの消毒があったので、部屋を訪ねて声をかける機会がありました。この避難所には大きな風呂があり地域の人たちに無料で公開されていました。
ずっと入浴してない方にお風呂を進めると、「一ヶ月、湯に入らんでも死なん」と、シベリアでの抑留生活の思い出を涙ながらに話されました。そうした会話をとおして、少し心が安らいだのか食事に出てきたときには、声かけに返事があり笑顔が見られました。
能登半島地震ボランティアに参加してー3_d0014310_2050252.jpgまた、夕方汗みどろで戻ってこられた女性は、「おかりなさい!」に、疲れ果てて顔をゆがめ声も出ない様子でした。朝、自宅へ片付けに行くのを玄関まで送り出すときが唯一、話す機会、「家は梁が折れ傾いている。なんとか帯戸が支えている状態」と言う。子供は他市に居住「この機会に全部始末して一緒に住もうと言うが‥と」淋しそうに話される。「代々受け継がれてきたものや自分たち夫婦で築いてきたものには愛着があって捨てられない。一つでも運び出したい」と、迎えの車に乗って自宅へ向かわれる。

多くの方は日中、家の後片付けに出かけ、夕方、疲れ果てて帰ってこられる。食事を済ますと部屋にこもってしまう。家が全壊あるいは半壊し、その処置の判断もつかず、先行きが見えず、仮設住宅を申し込むか、子供の所に行くか判断がつかないでいる。そうした中、仮設住宅に設置される電磁調理器の講習が行われた。高齢者にとって、はじめて見る物である。一度の講習では理解できない様子で、生活していけるのか気になるところであった。
能登半島地震ボランティアに参加してー3_d0014310_20511312.jpgこうした人達を、区長さんや、行政の方が常に一緒にいてかかわっておられたが、ご自分の家の整理があり、家族がいる。区長さんは仕事に出かけることもできない。家は奥さん一人で片付けているという。また事務の方は、母親は施設に入れてもらったが夫とは夜、顔を合わせるだけで、話をすることもなく寝て、朝早く、施設に出てきている。二人とも、当初に2回点滴を受けたと寂しく笑っておられた。

徐々に先行きが見えてきており、避難している人たちが、仮設住宅に入るまで、もう少しとの思いがかろうじて自分を支えているように思えた。
仮設住宅に移っても、先行きのない話である。よりいっそう心のケアが大きくのしかかってくることであろうと思いました
by sawarabiy | 2007-05-27 20:58 | さわらび情報